ネットの片隅でジュンブンへの愛を叫びた〜い!(笑)をコンセプトに、純文学推進委員会なるものを立ち上げました。 といっても私が今まで読んできた本の中で、特に好きなものや印象に残っているものを紹介するというだけの代物です。 でも、昨今の「純文学は面白くない小説の代名詞」みたいな扱いはあまりにも悲しすぎるので、純文学ってこんなに面白くっていろんな世界が広がっているんだよ、ということがわかっていただければ幸いです。 微力ながら、純文学(いえ、ジュンブン)への愛を込めて。 |
ちなみに私の好みだけで構成しておりますので、中には純文学と呼べないものもあるとは思いますが、その辺は広い心でお許しください。 尚、出版社名は私の手元にある本を参照しました。本棚の本と格闘しながら、順次掲載作品を増やしていくつもりです。 お奨め度はあくまで私個人の趣味によるものなので、作品の優劣を記したわけではないですし、どなたにも当てはまるとは限りません。 長編のタイトルはそのまま、短編集の場合は特に好きな作品名を記したものと短編集のタイトルのみ記したものとがあります。 |
**海外文学**
作家名 | 作品名 |
出版社 | 卯月コメント | お奨め度 |
キャサリン・マンスフィールド |
園遊会 |
新潮文庫 |
初めて読んだ時の驚きは今でもよく覚えています。まず書き出しから素晴らしい。園遊会の準備をする場景が、すぐに目の前に広がります。 その最中、幸せで平穏そのものの生活を送っていた主人公が、近所で起こった事件にきっかけに初めて人生のはかなさ切なさを知っていく様子が瑞々しい文体で書かれています。 |
☆☆☆☆☆ |
湾の一日 |
新潮文庫 |
マンスフィールドにとっては長編に分類される作品。 やはり書き出しの湾の場景描写が素晴らしいです。子供たちのほのぼのした雰囲気と、表面には出てこない大人たちの複雑さが、映画のシーンのように描かれていていろんな余韻を残してくれます。 |
☆☆☆☆ | |
スコット・フィッツジェラルド (米) |
氷の宮殿 (短編集 ジャズ・エイジの物語) |
荒地出版 | 「ジャズエイジの物語」では「リッツホテル〜」や「メイ・ディ」が有名ですが、私はこの「氷の宮殿」と「バーニス〜」がすごく好きです。 のどかな南部の少女サリーが地元の男の子たちに飽き足らず野心的な北部の男の子に恋をするけれど・・・。現代ののんびりした地元の男の子より、都会の男の子に憧れる女の子と同じ感覚があります。 やはり書き出しが素晴らしく、南部のとろんとした暑い昼下がりの場景が一気に目の前に浮かびます。 |
☆☆☆☆☆ |
バーニスの断髪宣言 (短編集 ジャズ・エイジの物語) |
荒地出版 | フィッツジェラルドにしてはめずらしい自分に自信のない女の子のお話。人気者の従姉妹のアドバイスに従い、当時は考えられない断髪宣言をすると急に周囲がもてはやすようになり、引っ込みがつかなくなって嘘を重ねているうちに従姉妹に裏切られ・・・。 でも、最後のどんでん返しには世界中の自信のない女の子が溜飲を下げたはず! |
☆☆☆☆☆ | |
すべて悲しき若者たち |
荒地出版 |
準備中 |
☆☆☆☆ | |
崩壊 |
荒地出版 |
準備中 |
☆☆☆ | |
偉大なるギャッツビー (長編) |
講談社文庫 |
世間では、フィッツジェラルドというとギャッツビーを連想される方が多いかと。私はフィッツジェラルドは短編の名手という気がしてるので、それほどお気に入りというわけではないのですが、やはり印象深い作品です。 初恋の女性に認められたいがために出世して、ついにその女性を手に入れるところは、ある意味男のロマンです。そしてその姿は作者と重なる部分も多い。 フラッパーの流行った時代、お洒落でかっこよく、読みながら想像してとっても憧れました。 レッドフォードとミア・ファロー共演の映画「華麗なるギャッツビー」は、まさにジャズエイジの物語です!(しかもコッポラの脚本!) |
☆☆☆ | |
A・P・チェーホフ |
チェーホフ全集 |
ちくま文庫 |
準備中 | ☆☆☆ |
I・セルゲーヴィチ・ツルゲーネフ |
はつ恋(中編) |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆☆ |
ギ・ド・モーパッサン |
モーパッサン短編集 |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆ |
サマセット・モーム |
女ごころ |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆ |
雨・赤毛 |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆☆ | |
太平洋 |
新潮文庫 |
準備中 |
☆☆☆☆☆ | |
テネシー・ウィリアムズ |
やけたトタン屋根の上の猫 |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆☆ |
欲望という名の電車 |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆ | |
ガラスの動物園 |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆ | |
トル−マン・カポーティ (米) |
草の竪琴 (長編) |
新潮文庫 | カポーティの作品の中ではめずらしい子供主人公にした作品。自伝的要素が強く、登場人物やエピソード等も実話が織り込まれているようです。 孤児となった主人公が預けられた先で起こった出来事を、少年の視点で描いています。引き取ってくれた老姉妹の一人ドリーは、主人公の初恋の人であり永遠の親友であり続けました。 |
☆☆☆☆☆ |
ティファニーで朝食を (長編) |
新潮文庫 | 言わずと知れたオードリー・ヘップバーン主演映画の原作。さてこれをカポーティ作と知ってる人は、どれぐらいいるでしょうか。私も最初は映画から入りました。 映画ではコケティッシュなホリーと売れない作家の恋物語みたいに描かれてますが、小説はそんなに簡単じゃない。もっと奥深く、もっと現実的。最後に二人が結ばれるのは、映画的発想ですね。内容は知らない方はいないと思うのではぶきます。 同時集編されている他の3篇も、イノセントという言葉がぴったり当てはまる作品です。 |
☆☆☆ | |
アイザック・ディネーセン |
アフリカの日々 |
晶文社 |
メリル・ストリープとR・レッドフォード共演の「愛と悲しみの果て」の原作としてあまりにも有名な作品。 私は映画から入りましたが、原作はもっと深くてエピソードも数え切れないぐらいあります。裕福な貴族だった作者がアフリカに渡って農園経営をしていた頃の実話をもとにした作品。レッドフォードの役柄の人物も実在し、本当に飛行機事故で亡くなりました。 読んだ後、私もアフリカへ渡りた〜い!と真剣に思ったのは若さゆえだったのでしょうか。 |
☆☆☆☆☆ |
イーディス・ウォートン |
イーサン・フローム |
荒地出版 |
準備中 | ☆☆☆ |
カーソン・マッカラーズ |
夏の黄昏 |
福武文庫 |
これも映画で観た人がいるかもしれません。「誰か他の人になりたい」と思っている12歳の少女フランキー。兄の結婚を機会に自分も一緒に町を出て行こうと決心するが・・・。 孤独で多感な少女のひと夏の成長を現実味のあるタッチで綴り、読んでいる人に「自分の物語」と思わせてしまう。台所で時間を潰す三人組が、いきいきと描かれています。 |
☆☆☆☆ |
ビヴァリー・クリアリー |
フィフティーィン |
東京書籍 |
準備中 | ☆☆☆☆☆ |
ハロルド・ブロドキー (米) |
初恋、その他の悲しみ (短編集) |
東京書籍 | 赤レンガには独特の影があった・・・で始まる少年の成長記。純粋で傷つきやすく、コンプレックスの塊の主人公が、姉の結婚や初恋、友情などを通じて、少しずつ自分の世界を確立していきます。 |
☆☆☆☆ |
ジョン・アップダイク |
走れウサギ |
白水社 |
準備中 | ☆☆☆ |
結婚しよう |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆ | |
メイプル夫妻の物語 |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆ | |
フランソワーズ・サガン |
悲しみよこんにちは |
新潮文庫 |
これも言わずと知れたサガンの処女作。これをサガンは18歳で書いたというから驚きです。 美しい南仏の海岸を舞台に、大人になる手前の少女特有の残酷さと身勝手さが見事に描かれています。大好きな父親と自分の間に出現した美しく聡明な再婚相手に対する屈折した思いという設定が、いかにもフランス風で洒落ています。 |
☆☆☆☆ |
冷たい水の中の小さな太陽 |
新潮文庫 |
サガンの作品は映画化されているものが多いのですが、これもそのひとつ。そして私が一番好きな作品です。 パリの通信社に勤める主人公とフランス郊外に住む名士夫人との恋物語。洒落てて大人でちょっと退廃的・・・。モンシェリーやラムールという言葉を知ったのもサガンの小説でした。意外な結末は、背伸びして読んだ当時の私には納得できないものでしたが、今なら少しわかる気がします。 ”モンシェリー、あなたのせいではないのよ。わたくしはいつもちょっと熱中する性質でした・・・” |
☆☆☆☆ | |
熱い恋 |
新潮文庫 |
パリの社交界を背景に、裕福な年上の恋人を持つ男女が恋に落ち、そして別れていくお話。 恋人を”情人”と呼ぶことを初めて知りました。私はサガンの小説からフランス(特にパリ)のイメージを学んだといえます。アパルトマン(今風に言うとマンション)という響きにも憧れました。 30歳を過ぎた大きな子供たち、というフレーズが現代にも通じるお話で、とても30年以上も前に書かれたものとは思えません。大人な恋のお話を読みたい方はサガンをどうぞ。 |
☆☆☆ | |
メイ・サートン |
独り居の日記 |
みすず書房 |
元女優で詩人で作家のメイ・サートン。題名にひかれて読んでみて、一辺でファンになってしまいました。熟年になり、作家としての人生を送ろうと移り住んだ片田舎で過ごす日々が、淡々と時には激しく綴られています。 「年をとるのはすばらしいことです!」と言い切れる作者の生き生きとした暮らしぶりが素敵!私も老後はこんな生活がしたいなあ・・・。それもひとつの憧れ。 |
☆☆☆☆☆ |
ミセス・スティーヴンズは人魚の歌を聞く |
みすず書房 |
準備中 | ☆☆☆ | |
海辺の家 |
みすず書房 |
準備中 | ☆☆☆☆☆ | |
アン・ビーティ (米) |
燃える家 (短編集) |
ブロンズ新社 | 準備中 | ☆☆☆ |
あなたが私を見つける所 (短編集) |
草思社 | 準備中 | ☆☆☆ | |
ボビー・アンメイスン (米) |
ラブ・ライフ (短編集) |
草思社 | 準備中 | ☆☆☆ |
アニータ・ブルックナー |
秋のホテル |
晶文社 |
ブルックナーの作品の中で一番好きなもの。 シーズンオフのホテルにやってきた主人公が、そのホテルで出会った人々の人間模様を観察しながら、孤独と向き合い、自分の進むべき道を探していきます。日本文学だと若者の特権みたいな自分探しの旅は、本当は自分に責任の持てる大人がするべきものなのかもしれません。硬質な文体で綴られた主人公の揺れる思いが、ひしひしと伝わってきます。 |
☆☆☆☆☆ |
英国の友人 |
晶文社 |
準備中 | ☆☆☆ | |
アン・タイラー (米) |
歳月のはしご (長編) |
文春文庫 | 数あるアン・タイラーの作品の中でも、私が一番好きな作品。 家庭の中で自分の存在を見出せない中年女性の主人公が、休暇先からふと家出してしまう。一人じゃ何もできないと思っていたのに、部屋も仕事もすぐに見つけ、新しい生活を始める。日々の生活を楽しみながらも、残してきた生活への思いも断ち切れず・・・。 普通だと重たくなってしまうお話が、軽やかにちょっとしたエピソードのように読めるのは、やはりアン・タイラーの魅力。 |
☆☆☆☆ |
ここがホームシックレストラン (長編) |
文春文庫 | 悲しい時や淋しい時、ここへおいでよ。みんなで集まって一緒に食事をしよう。それがホームシックレストラン・・・。 夫に捨てられた母親と3人子供たち。それぞれ才能があると思っていたのに、誰も期待通りには育たなかった・・・。そんな母親の溜息と、その思いにプレッシャーを感じて育った子供たちの苦悩の物語。 でもやっぱり、アン・タイラーの作品らしく、さらっと軽やかで未来への希望が持てる作品です。 |
☆☆☆☆ | |
ブリージング・レッスン (長編) |
文春文庫 | 準備中 | ☆☆☆☆ | |
ホイットニー・オットー |
キルトに綴る愛 |
講談社 |
準備中 | ☆☆☆☆☆ |
ディビット・レーヴィット |
ファミリー・ダンシング |
河出書房 |
準備中 | ☆☆☆☆ |
ピーター・キャメロン |
ママがプールを洗う日 |
ちくま文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆☆ |
スザンナ・タマーロ |
独りごとのように |
草思社 |
準備中 | ☆☆☆ |
ビリー・レッツ |
ビート・オブ・ハート |
文春文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆ |
ハート・ブレイク・カフェ |
文春文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆ |
**海外児童文学&ジュニアノベル**
PageTOPへ
作家名 | 作品名 |
出版社 | 卯月コメント | お奨め度 |
パメラ・L・トラヴァース |
風にのってきたメアリー・ポピンズ |
岩波書店 |
準備中 | ☆☆☆☆☆ |
ルーシィー・モンゴメリ (カナダ) |
赤毛のアン シリーズ |
新潮文庫 | 準備中 |
☆☆☆☆☆ |
ジーン・ウェブスター (米) |
あしながおじさん | 角川文庫 | 準備中 |
☆☆☆☆☆ |
ルイザ・メイ・オルコット (米) |
若草物語 | 新潮文庫 | 準備中 |
☆☆☆☆☆ |
エレナ・ポーター |
少女パレアナ |
角川文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆ |
ケート・D・ウィギン |
少女レベッカ |
角川文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆ |
フランソワ・ボワイエ |
禁じられた遊び |
角川文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆ |
アン・エマリィ |
はつ恋 |
秋元文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆ |
シビル・コンラッド |
すてきな十六才 |
秋元文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆☆ |
ベティ・カヴァナ |
ジュリーは十六才 |
秋元文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆☆ |
ヴァレリオ・ズルリーニ |
芽生え |
秋元文庫 |
準備中 | ☆☆☆ |
レイ・ブラッドベリ |
たんぽぽのお酒 |
晶文社 |
準備中 | ☆☆☆☆ |
ローラ・ワイルダー |
大草原の小さな家 |
講談社文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆☆ |
アルフ・ブリョイセン (ノルウェー) |
スプーンおばさんのぼうけん | 学研 | 準備中 | ☆☆☆ |
ルイス・キャロル (英) |
不思議の国のアリス | 講談社 | 準備中 | ☆☆☆ |
ミス・リード |
村の学校 |
角川文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆☆ |
**日本文学**
PageTOPへ
作家名 | 作品名 |
出版社 | 卯月コメント | お奨め度 |
夏目 漱石 |
こころ |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆☆ |
それから |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆ | |
道草 |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆ | |
武者小路 実篤 | 幸福な家族 |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆ |
友情 |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆ | |
棘まで美し |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆ | |
堀 辰雄 |
風立ちぬ・美しい村 |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆ |
菜穂子・楡の家 |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆ | |
川端 康成 |
伊豆の踊り子 |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆ |
花のワルツ |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆ | |
掌の小説 |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆ | |
岡本 かの子 |
岡本かの子全集 |
ちくま文庫 |
準備中 | ☆☆☆ |
林 芙美子 |
放浪記 |
☆☆☆☆ | ||
壇 和夫 |
リツコその愛その死 |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆☆ |
家宅の人 |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆ | |
吉行 理恵 |
小さな貴婦人 |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆☆ |
記憶の中に |
講談社文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆☆ | |
男嫌い |
新潮文庫 |
準備中 | ☆☆☆☆ | |
庄野 潤三 | 夕べの雲 (連作集) |
講談社文芸文庫 | 準備中 | ☆☆☆☆ |
プールサイド小景 (短編集) |
新潮文庫 | 準備中 | ☆☆☆☆ | |
ザボンの花 (連作集) |
福武文庫 | 準備中 | ☆☆☆☆ | |
原田 康子 | サビタの記憶 (短編集 サビタの記憶・廃園) |
新潮文庫 | 準備中 | ☆☆☆☆☆ |
廃園 (短編集 サビタの記憶・廃園) |
新潮文庫 | 準備中 | ☆☆☆ | |
挽歌 (長編) |
新潮文庫 | 準備中 | ☆☆☆ | |
長田 弘 |
||||
安部 昭 |
||||
瀬戸内 晴美 |
||||
曽野 綾子 |
||||
北 杜夫 |
||||
津村 節子 |
||||
三浦 哲郎 | ||||
宮元 輝 | ||||
高樹 のぶ子 |
||||
川上 弘美 |